コラム
災害時どうする?犬との避難
いつどこで起こるかわからない災害。これまでにも地震や台⾵などさまざまな災害に⾒舞 われてきました。明⽇来るかもしれない『もしも』の時に備えて⽝と避難する時、どうす ればいいのか、災害時に⽝と安全に過ごせるように⽇頃からの備えがとても⼤切です。 今回は、災害時の⽝との避難についてご紹介したいと思います。
<目次>
1. ⽝との同⾏避難って︖
⽝との防災対策を考える上で知っておきたい「同⾏避難」
「同⾏避難」とは災害時に飼い主が⽝を同⾏し、⼀緒に避難所など安全な場所に避難す ることです。 この場合、あくまでも避難所までペットと同⾏して避難することをいいます。 避難所でのペットの対応は、ペット受け⼊れ可・不可・受け⼊れるが部屋は分けるな ど、⾃治体や避難所によってまちまちです。 ペット受け⼊れ可であっても、⼈間とペットとの⽣活スペースが分かれていることがほ とんどです。 避難所がペット不可の場合も想定して、⾞内避難の対策や親類・知⼈などへの預け先を 考えておくことも⼤切です。
2. 備えておきたい⽝の防災グッズ
⼈間は万が⼀の災害に備えて、⾮常⽤持ち出し袋を⽤意していますが、ペットの分も 同様に、避難に備えた⾮常⽤持ち出し袋を準備しなくてはいけません。 避難所に避難できたとしても、ペット⽤の物資の⽀給はほとんどありません。 必要なものは、事前に準備が必要です。 準備しておきたい⽝のための防災グッズ
・療法⾷、薬
・フード、おやつ、⽔(少なくとも5⽇分。できれば7⽇以上分)
・フードボウル ・予備の⾸輪、リード(伸縮しないもの)
・ペットシーツ、排泄物の処理袋 ・バスタオル、タオル
・ペット⽤のウエットティッシュ、ブラシ
・⾳が鳴らないおもちゃ ・ワクチンの接種状況、既往歴、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
・飼い主の連絡先と、飼い主以外の緊急連絡先など
・ペットの写真
・ガムテープ(ケージの補修などに使⽤)、マジック
療法⾷、薬
療法⾷やアレルギーのある⽝は必要なフードが⼿に⼊るまで時間がかかるので多めに 備蓄しておいた⽅が良さそうです。 常備薬がある場合は、保管⽇数や保管⽅法を事前に獣医師に相談して、多めに備蓄し ておくといいですね。
フード、おやつ、⽔
おすすめは、ローリングストック。 ⽇常使いしているフードやおやつを多めに買っておき、使った分を買い⾜す⽅法で す。常に新鮮な状態でフードやおやつを備蓄できます。災害時には⽔が⼿に⼊りにく くなることも考えられるので、⽔の他にウエットフードやゼリー状のおやつがあると ⽔分補給も兼ねることができます。 災害時のストレスで⾷事ができなくなった時にも、ウエットフードなら匂いが強く、 ⾷欲をそそられ⾷べてくれることもあります。
フードボウル
⽔⽤と⾷事⽤、軽量で折りたためられるようなものが、2つあると便利です。
予備の⾸輪、リード
⾸輪やリードが破損したり、⾬や泥で汚れたりすることもあるので、予備の⾸輪やリ ードがあると安⼼です。
ペットシーツ、排泄⽤の処理袋 衛⽣⽤品が届くまでには時間がかかります。ペットシーツや排泄物の処理袋は、普 段から多めに備蓄しておくようにしておきましょう。 排泄⽤の処理袋も最近は、特殊な構造の袋・⼝を閉めると臭いのしない袋もありま す。そういった袋を⽤意しておいた⽅がいいかもしれません。
バスタオル、タオル
バスタオルは、⽝の体が⾬に濡れたり汚れた時や、クレートに敷いたり、被せて⽬ 隠しにしたりと重宝します。 使い古したもので⼤丈夫なので、いろいろな⼤きさのタオルを⽤意しておくと安⼼ です。
ペット⽤のウエットティッシュ、ブラシ
⾷事が終わった後のフードボウルを拭いたり、ご飯の後の⼝まわり拭き、涙など⽬ まわりのお⼿⼊れ、トイレの後のお尻拭き、お散歩後の⾜拭き、ケージのお掃除に と衛⽣状態を保つためにも、ペット⽤のウエットティッシュ(アルコールが使⽤さ れていないもの)や抜け⽑対策にブラシがあると安⼼です。
⾳が鳴らないおもちゃ
災害時には、ケージで過ごす時間がいつもより⻑くなったり、お散歩も満⾜に⾏か れない可能性もあります。 お気に⼊りのおもちゃでストレスを発散させてあげたり、⻑持ちするおやつや知育 玩具なども有効です。 避難所で使⽤するおもちゃは、⾳の出ないものにするなどの配慮も必要です。
ワクチンの接種状況、既往歴、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報 飼い主の連絡先と、飼い主以外の緊急連絡先など ペットの写真 万が⼀、はぐれてしまった時の迷⼦ポスターの作成など、探しやすいように⽝の写 真を⽤意しておきましょう。
⼀時的に離れて避難⽣活をしなければならない可能性もあります。 ワクチンの接種状況や既往歴、飼い主の連絡先など注意事項をまとめたメモがある と⼤変便利です。
ガムテープ、マジック
ガムテープはケージが破損した時の補修や、抜け⽑の掃除にと役⽴ちます。
3. ⽝と避難するときの注意点
災害が発⽣したら安全を確保することが最優先です。 まずは飼い主が落ち着いて、⽝を落ち着かせましょう。 ⼈間同様、⽝も災害が来るとパニックになり、いつもと違う⾏動をすることがありま す。噛みついたり、逃げ出したりすることもあります。 そしてすぐに⾸輪とリードをつけるようにしましょう。この時、⾸輪の緩みがないか きちんと確認しましょう。
避難場所までは危険な箇所がたくさんあるので、リードは離さないようにしっかりと 持ち、ケージやキャリーバッグはしっかり抱えます。⾜元や頭上にも注意して落ち着 いて⾏動します。
避難所には、動物が好きな⼈、嫌いな⼈、動物アレルギーがある⼈、幼い⼦供などた くさんの⼈が集まります。 排泄する場所や⽝がいる場所の清掃、抜け⽑が⾶ばないようにするなどの配慮も必要 です。 「飼い主ではない⼈が⽝をなでようと近づいたら、噛まれた」「⼦供が勝⼿にケージ を開け、⽝が逃げてしまった」というトラブルもあります。 このようなトラブルを避けるために、⽝に触らないようにする注意書きを掲げるなど の対策も必要です。
慣れない場所に置かれ、近くに飼い主がいない状況に、⽝はストレスを感じます。 このため、むやみに吠えたり、周囲の⼈に攻撃的になったりする可能性があります。 また、フードや⽔が不⾜すると⽝の免疫⼒が低下し、⾷欲不振、下痢、嘔吐、便秘な どの病気にかかりやすくなります。 ⽝の健康を観察し、できるだけ不安を取り除いてあげましょう。
災害時、パニックになって逃げ出してしまう⽝もいます。 保護されたとしても、飼い主探しは難航します。 マイクロチップを⼊れていても、災害時の混乱した状況ではマイクロチップの確認が できないこともあるので、ペットの名前、飼い主の名前、連絡先が書いてある迷⼦札 をつけておけば、外から確認することができます。 できれば、マイクロチップと迷⼦札で⼆重の対策をしたいですね。
災害は決して他⼈事ではなく、誰にでも起こりうるものです。 いざという時、⽝と⼀緒に素早く避難できるよう、⽇頃からの備えが必要です。
次回は『みんなどうしてる?⽝の分離不安』をご紹介したいと思います。